こんにちは。Tetsuです!
7月4日から公開された韓国映画「ハルビン」を観たのですが、観た者として感想、日韓について話そうと思います。(ちょっとネタバレを含みます。)
僕の韓国経験なのですが、約6ヶ月間語学堂で韓国語を勉強し、TOPIK5級を持っています。
元々日韓の歴史について関心があり、強制労働所や博物館を訪問してきました。
あらすじ
2025年公開の韓国映画『ハルビン』は、伊藤博文暗殺事件で知られる独立運動家・安重根(アン・ジュングン)の実話をもとに描かれた歴史アクションドラマです。
舞台は1909年、日本の植民地支配が強まる中、祖国の未来を守ろうと立ち上がる若き志士たち。安重根は同志たちと共に、ロシア管理下であったハルビン駅での暗殺計画を決行する決意を固めます。
作戦の裏には仲間の裏切りや葛藤があり、単なる英雄譚ではない深い人間ドラマが描かれています。
映画公開当初は韓国では
僕は映画公開当初(12月24日)、韓国にいました。
大学のサークルで観に行こうとお誘いがあったのですが、違う予定が入っていたため行けませんでした。今考えたら語学力的にとても難しいので映画を理解することはほぼ不可能だったでしょう。
韓国国内で話題になるのは当然です。
公開2日目で100万人突破し、最終的には約491万人もの入場がありました。2024年韓国映画の興行収入もTOP5入りで大きな話題になりました。
映画の感想
全体的には思っていたよりも中立的で事実に基づいた話なんだと感じました。
観る前には、韓国人の友達と話したのですが「反日で大丈夫かな」なんて友達は言っていました。そのため、日本を批判するかなり過激なシーンがあるのかと思いましたが、全然ありませんでした。
逆にどこが反日だったのか、、
最初のシーンでは日本軍の拠点を大韓義軍が攻撃するのですが、そこで捉えた日本兵を解放します。
もちろん、日本兵を殺そうとする仲間いましたが、アンジュングンはそれを止めました。
確かにアンジュングンは日本兵を解放させたという記録が残っており、アンジュングンの人物像を垣間見れました。
綺麗な映像と音響も良かったです。
また、役者が豪華ですね。アンジュングンを演じた方が、愛の不時着の主役を演じたヒョンビンさん。
そして、伊藤博文役がリリー・フランキーさん。トッケビの死神役のイドンウクさんなどなど
反日映画なのか
日本では、アンジュングンを伊藤博文を暗殺したテロリストという見解からか映画「ハルビン」を反日映画として批判する人もいます。 また、yahooの記事のコメント欄でもそういった意見が多々見られました。
また、ある韓流ファンのブログでは、アンジュングンを演じたヒョンビンさんについて「なぜ日本人が嫌がることをするのか」といった内容も書かれていました。
しかし、、、、、実際に起きた歴史的事実ですし、、、
僕の韓国人の友人に『ハルビン』を観に行くと言ったときは、反日映画ではないかと少し心配されましたが、実際に観てみると反日的な要素は全くありませんでした。
映画はとても中立的に描かれており、日本を侮辱するシーンも韓国を過剰に称賛するシーンもありません。安重根のありのままの姿が描写されていると感じました。
アンジュングンについてや伊藤博文、断指同盟などなど知れるため、良い歴史教材でもあり、日本人にも見てほしい映画です。
映画をきっかけに考えたこと
映画をみて家に帰ってすぐに、アンジュングンの「東洋平和思想」や当時の伊藤博文の考え、日本政府の計画について調べてみました。
アンジュングンは韓国では英雄とされていますが、日本ではテロリストとされていることが多いです。しかし最近、日本の学術界では「東洋平和思想」の観点からの彼の評価が徐々に変わってきているようです。
一方伊藤博文自身は、韓国併合に対して前向きではなかったことがわかりました。
伊藤博文は韓国併合は少しずつ慎重に行なっていくべきだという考えを示した反面、早急に併合すべきだと主張する勢力も存在しました。そのため、韓国人が銃を撃ったことを知った伊藤博文は「馬鹿なやつだ」と述べたとも伝えられています。
確かに伊藤博文が韓国併合に慎重だったことは、彼の死後に賛成派の勢いが増し、支配が一層厳しくなったことからもわかります。もし彼が生きていたとしても、最終的に韓国併合は実行されたでしょうが。
また、日本の中にも韓国併合に強く反対した人々がいたという事実も知りました。
(キリスト教徒の内村鑑三の非戦論や社会主義者の幸徳秋水の帝国主義批判。)
大東亜共栄圏とインフラ整備の真実
話は変わりますが、映画を見て改めて日韓併合や大東亜共栄圏について考えさせられました。
日本では韓国併合に関しても大東亜共栄圏に関しても称賛するような人もいます。
「日本のおかげでインフラ、産業が発展した」「日本のおかげで独立できた」「大東亜共栄圏は日本による開放だ」と。
しかし、それは軍事輸送と兵站の整備、資源輸送・経済の効率化など日本にとって戦略的・経済利益を最大化するための一環でしかなかったのです。
独立は日本が太平洋戦争で負け、結果的に独立しただけです。
日本が独立を約束したわけではありません。日韓併合に関しても、資源や労働力の搾取、日本語、日本文化の強制をしたのです。現地の言葉や文化・伝統の否定、つまり、アイデンティの喪失です。短なもので例えれば、「人格否定」ですよね。
最後に
映画『ハルビン』は、安重根の生涯を描く歴史アクションですが、反日要素はほとんど感じられず、むしろ人間ドラマとしての深みが印象的でした。韓国での人気も納得できる内容で、日本人も歴史を知るために見る価値があると強く感じました。
最後までありがとうございました。